「やるぞ〜!」「死ぬぞ〜!!」そんな大げさな言葉を吐きながら仲間とスタートラインを切った。
Mt.富士ヒルクライム。
ボクの出走した第3グループには20人を越える仲間が揃った。
初めて顔を合わせる人もいたし、荒川練での顔なじみの仲間もいた。皆1年で最重要なこのレースへの準備は万端なようだ。
仲間が貼ってくれたキネシオテープが背中、腰、太腿を楽にしてくれてはいたけれど、4日前にピキッときたギックリ腰は完治しなかった。でも、もうそんな事関係ない!目の前の坂を登るだけ。自分との戦いは始まっていた。
1合目17分30秒(遅い。予定より1分遅れ)、2合目27分30秒(理想より1分遅れ)。約束通りTTヘルメットにワンピース、おまけにハイソックスで走ったけどタイムは思うように出ない。仲間に追いついても声を掛ける余裕も無かった。2合目過ぎで今中さんに追い抜かれた。ショックだった。第4スタートの今中さんに追い抜かれる・・・それはボクのペースが遅い事を示していたからだ。追い抜かれた後,少し平坦な区間でボクは一気に加速した。後ろで「ハハハッ,アタックや〜」と今中さんの声。「ううっ、本気なのに笑いを取ってしまった・・・」そう思った。その後は今中さんのハイペースに付いて行けずにズルズル後退。今中さんのおかげ?で乳酸を溜めてしまった。
そこで最終手段「この脚はボクの脚ではない作戦」を始動。3合目あたりから調子が出て来た。4合目を越えた最大の難所『山岳計測区間』で見覚えのある背中を見つけた。金城編集長だ。凄い勢いで8%の急坂を登って行く。5mまで追いついたのにまた石垣沿いの所で離された。焦った。でも自分のペースで登った。今度乳酸溜めたらアウトな気がしていた。急坂の終わりあたりで編集長を抜く。ボクは「頑張って!」と左手でエールを送った。
もう声を出す気力も無かった。ボクが抜いた瞬間「ウゥオーー!!」と編集長が叫んだ。ビックリしたけど編集長も必死で本気だ。凄い勇気付けられた。こんな編集長がいる自転車雑誌があるって幸せだな〜と思った。
5合目の平坦区間に入ってからは超前乗りでぶっ飛ばす!
ダンシングをすると太腿から腰にかけてツル予兆がした。
じんわりと(相反するけど)ぶっ飛ばす。
最後の激坂でイノッチに追いつく。追い抜く。追い抜き際に「ウアッ〜!!!!」と叫んでみた。イノッチが何事?と振り返ったけど「ウオォ〜!!」と叫ぶしか無かった。叫んで力んだら体中がツッタ。
ヤバい。
でも,叫ばないといられなかった。
あと数百メートルで走り終える。この数ヶ月間、ボクの心に重くのしかかったプレッシャーから解放される!そんなレースの最終局面。ボクは人目もはばからす叫び続けた。
「ウォ〜!!!!!!!」
「ウァ〜!!!!!!!」
「ウォ〜!!!!!!!」
「ウァ〜!!!!!!!」
「ウォ〜〜〜!!!!!!!」
不思議と叫ぶとスピードが出た。火事場の馬鹿力?か。30km/h以上出た。前乗り過ぎて落っこちそうになる。
ゴール地点の観客から笑い声と拍手の入り交じった反応がしたけど、気にしていられない。
格好悪くて良い。とにかく燃え尽きたかった。後悔したく無かった。
叫びながらゴ〜ル。
(1時間10分40秒。クラス4位)
ゴールして荷物のある駐車場に行くまでに、何かがこみ上げて来た。
顔がこわばった。
涙がこぼれた。止まらない。
5合目の駐車場で仲間に声を掛け合う瞬間は大丈夫だけど、直ぐにまた顔がこわばって口が8の字にひん曲がって涙がこぼれ落ちた。
なぜ?泣いたのか解らない。こんな経験は初めてだ。タイムの良し悪しは関係なかった。そんなことどうでもいい。
多分プレッシャーからの開放感と安堵感の入り交じったものだったと思う。5合目から下り始めても泣き通した。途中仲間の顔を見つけ、Beachのジャージを見つけては「がんばれ〜〜〜!」と泣きながら叫んだ。ゆっくり一人でも多くの仲間に声を掛けたくてゆっくり下山した。泣き通して下山してスタート地点のチームブースで赤い水玉を見たらまた泣けて来た。
『泣き虫』
ボクはどうかしてしまった。
昨年までほとんど自転車に乗らずにメタボに生きて来た(昨年のタイムは2時間30分を越えていたと思う)のに、気まぐれに正月から毎日乗ったら4月のツールド草津で3位になった。自分の予想を遥かに越える成長に自分自身が1番とまどった。
本来なら「1時間15分切り!」に挑戦するのが富士ヒルでの理想の予定だった。それが自分が予定より速くなってしまって、プレッシャーに押しつぶされそうになっていた。
とにかくボクは解放された。
安堵の涙。まるで『泣き虫』だった。
一緒に走った仲間に感謝!表彰式では優勝した人より、1位になった人より最高に盛り上がった4位の表彰式でした。『みんなありがとう』皆の事を想うと,感謝の気持ちでまたボクは泣き虫になりそうです。本当に,本当にありがとうございました。
ブースをお手伝いいただいたmonji&pepeさんご夫妻、デジさん,デビ、hama、カズ吉さん、ケイトさん、ろじさんご夫妻、その他多くの仲間に助けられました。ありがとうございました。
皆さんお疲れ様でした。
abさん、4位入賞おめでとうございます。この入賞は、今年のabさんの努力と気合の当然の結果だと思います。
僕のタイムは、abさんに遅れること4秒、クラス10位の結果でした。
ここで少し私事を、
今回の結果について、大会終了直後は自分では満足の行く結果で、後悔はしていないはずでした。しかし、山頂ゴールで仲間がゴールをする姿を見ているうちに何か自分の中で違和感が起こりました。特にabさん、fumiさんのゴール直後の姿を見て今回の大会で本当に自分の限界まで
出し切ったのか?と思いました。
去年、一昨年の富士ヒルでは、ゴール直後には倒れこみ全身痙攣するぐらい使い切っていたのに
今年は、なんだか笑顔でゴール出し切ったつもりになっていた自分が、abさんに比べて恥ずかしく思えました。
別にプロでもないし、楽しめればいいはずなのですが、遊びもここまで真剣になるとなかなか考えてしまいます。
僕にとって次のレースは、来年の富士ヒルになってしまいます。ほんの少しの時間放電して、来年に向けてスタートしたいと思います。
恒例の油パーティーですが、今月17日(火)だと参加でくるのですが、皆さんいかがでしょうか?