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人生最初で最後のロードレース挑戦

JCRCの西湖ステージはボクにとってロードレースのトラウマなモノだった。
1997年に帰国した今中さんのカタログ撮影でロードバイクと出会い,半地元の西湖で行われるこのレースは気軽に観戦出来るレースで当時今中さんから譲り受けたCOPPIで観戦に行って、解説で来ていた今中さんに会場で出会い「お〜阿部さん、優勝した?」(今中さんの友人はホビーレースなら基本的に優勝か入賞して当然ということか・・・・と感じた)という挨拶をされて優勝どころか参加する度胸も脚もない自分が高級バイクに乗ってレース会場を徘徊していたのが凄く恥ずかしかった。

これがトラウマその1。

その頃出会った妻がボクが自転車にハマっているのを知って、自分もやってみたいと言ってロード買って1週間後にこの西湖ステージに参戦した。彼女は大学で体育会の水泳部でシンクロもやっていた人なので「レース?出る出る!!」当然の様に躊躇せずにビンディングもはめられないままに出場した。
ボクはビビって参加する勇気もないのにメカオタクであれこれ作戦を授けているのが自分でも格好悪かった。

これがトラウマその2。

3年前、スタッフのチャボがPで働き始めママチャリしか乗った事の無い彼女に「通勤くらいロード乗ってよ!」と買い与えたら,もう速いのなんので「それじゃ大会でなよ!西湖なら来月だし腕試しならぬ脚試しだ!!」と嫌がる彼女に半ば強制的に出場させたら6位入賞!!(次の川越大会で2位、その次の大会のツアーオブジャパン東京ステージで優勝しちゃった)周りの人に出ろ出ろ!と言う割に自分は決して出ないのがロードレースでJCRC西湖ステージだった。

これがトラウマその3。

言い訳するとボクのメインレースの草津や富士が春のレースで、7月〜12月はほとんど乗らないのでデブデブでレースどころでなかった。

それが311の大地震の直前はJCRC川越と修善寺にエントリーして、練習もばっちりで「ボクもとうとうロードレースデビュー。2大会連勝しちゃうかも???」な〜んて皮算用(本気で)してたらレース前週に大地震。その後は1年間全く乗らない生活で体重が13kgも増え完全なメタボ体型。チームの仲間からも随分批判され(そんな気がしただけかもですが)7月からトレーニング再開した。
13kgの激太りと練習不足で仲間に全く着いて行けず、女子にも軽く千切られるレベル。エラそうに「ポジション変えた方がいいですよ〜上手く踏めてません」などとチーム練でアドバイスをしても,全く説得力がない。だってボクが一番遅いんだもの。そんなぜ〜ぜ〜息してる遅い奴のアドバイスなんてだれも聞いてくれない(当たり前だ)。それから4か月。そろそろレースでも出ようかと思ったけど、1年間のブランクが大き過ぎて4か月では体重を6kg落とすのに留まりベストよりまだ7kgも体重が重い。
「そういえば毎年オフの時期で断っている西湖のレースならこの体重のハンデが少ないかも!」
そう思ってエントリーした。

で、本日。

昨日までの雨乞いも効果無く、曇天だけどレースは順調に開催に至りトラウマいっぱいのこの大会から逃げられなくなった。

人生初ロードレース。今更だし、ボクが雑誌に出てたりするので注目されたりでプレッシャーが大きいです。
仲間も苦戦していて実力が出せない大会という認識でした。
ボクがエントリーしたのはX3クラスという初レースの人とブランクの有る人が混ざった混戦になるクラス。特にブランクが有るけどもっと上のクラスで走っていた人が出ているので、かえって難しいというのが仲間の意見だ。
特に昨年20年来の友人のITOちゃんが実力が有るのに引きまくって最後自滅して入賞出来なかったのがこのレースの難しさを物語っていた。
そのITOちゃんが今年もボクのレースの1時間前に出走して入賞を逃したのを見てなんだか燃えて来た。
なんか腹が立った。
わけ解んないけど。
友人を痛めつけた奴ら、許せん!!!とか、まったくお門違いにご立腹。
その矛先がボクのレースに出ている人に向かってしまいレース直前は『燃えよドラゴン』のテーマが黄色いカバーを付けたメットの中で響き渡っていた。

号砲が鳴ってレーススタート。
ボクは60人中40番目くらい。
妻が出場した当時はローリングスタートが4kmポイントの直角コーナーまでだったので,ノンビリスタート・・・・と思っていたら3コーナーくらい抜けたらいきなり先導バイクが離れてレーススタート(ビックリした)。集団走行は初めてだったので、怖い怖い。コーナー毎のラインも様々で後にいると落車に巻き込まれそうなので15番手くらいまで上がる。おもったより前にでるのが難しかった。
最初の直角コーナーで5番手くらい。そこからペースが上がって逃げる人も出てくる。ボクはSRMでパワーを確認するけど200W程度。かなり余裕があった。その後2番手になったり,一瞬先頭に出たりで7、8番手キープで対岸を進む。本当に強いのはどの人か見極めよと数人チェックして観察した。集団から飛び出す人もいたが、まだまだレースは始まったばかり。ここはひとまず自分のライバルを探すのに徹した。カフェMを越えてそろそろ登りに向けてのポジション争い。8kmポイントの直角コーナーでは前の方に居ないと危険だと判断して少し踏んで4、5番手でこのコース唯一の登りに入る。登りは自信があるので力を抜いて440Wくらいで気持ち良く登った。その後仲間に聞いていたようにペースが落ちた。その瞬間、アタックが掛かったので直ぐ反応して逃げた選手の番手に着いた。かなり良い逃げで集団は追って来なくてそのままコウモリ穴を抜けて2番手でスタート/ゴールラインを越える。集中していて声援が全く聞こえなかった。
2周目に入って集団が活性化して下りで追いつかれる。下り区間を終えて直角コーナー手前で集団のペースが落ちる。40代の選手が多いクラスなのでレース慣れした人が多いのか牽制が激しい。33km/hまで落ちた。あまりに余裕があったので安全のため前に出た勢いで逃げてみた。
10mくらい離したら20mくらい前に一人逃げしていた黄色いメットカバーを見つけてビックリ。この際だからその人に追いついて逃げてやろうと思った。600Wくらいで踏んでその勇気ある人に追いついたら、息が荒かったので引いてはもらえないと思い「一緒に逃げましょう!」と声を掛けて前を引いた。
ローテーションを始めたが彼の番になって後からアタックした速い人に抜かれたので、乗り換える。後を振り返ると集団も10m後方まで迫っていたので逃げを諦め、脚を使ったのでしばらく10番手くらいで休んだ。牽制が激しく心拍が150台に落ちる程のスローペース。ボクの予想ではこの辺りから300W超が続くと思って試走していたので200W台ではもうお散歩気分。のこり4kmになってここからなら試走で300W超で行けたし・・・とか考えるが、前方の人達が速そうで躊躇した。牽制が多くて実力が見えて来ないので伏兵がいそうで様子をみた。勝負どころの直角コーナー手前でもう一度600Wで踏んで最も重要な直角コーナーは先頭で入る。
後方の選手が横に並ぶまで力抜いてアタックを待つ。案の定、坂の上からはアタックが掛かりまくりボクも時々400W越えを強いられるが、それでも番手に付けば300Wちょいの良いペース。2番くらいになってもあっという間に5、6番手になってしまう程左右から前へ前へとかぶせて来る。
コウモリ穴の直線で悪魔おじさんのような動きをする応援が視界の端に入る「いいよ!いいよ!」と言っていたように聞こえた。直ぐに仲間だと解った。
ボクの作戦はこのコウモリ穴の登りの途中でアタックする!という物だったので、5番手くらいでその坂に入った時「お、これは思い描いていた展開じゃんか!」と笑みが込み上げて来た。なんだか俯瞰でもう一人のボクが冷静に観ている気がした。
コウモリ穴の坂の頂上付近(ここから400mでゴール)で横一線に鳴った瞬間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まったく記憶が無い。本当は記憶あるけど集中し過ぎて良く解らない。最後の直線は一人逃げだったので視界には直線の道路が見えるだけで変化も展開もなかった。白く霞んだ景色で視界の中心にセンターラインだけがハッキリと見える景色。音もしない不思議な景色だった。ゴール手間で一瞬歓声が聞こえ、気が付いたらゴールラインを越えていて思考がもどって「うぉ〜〜〜〜〜!!!」と叫んでガッツポーズした。
その後はもの凄い頭痛(酸欠か)で頭痛くてタイヘンだった。
嬉しかったのはゴール後あのITOちゃんが走りよって来て一番に抱きついて祝ってくれた事。仲間の走りを早朝一緒に見ていたグッチーくんが同じ場所でボクの走りを観て「感動した」と言ってくれた事。表彰台で娘のののに金色のメダルを掛けさせてあげれた事。表彰式まで雨の中待っていてくれた仲間に感謝!です。ありがとう!!
ボクは良い仲間が居て幸せです。練習に付き合ってくれたチャボとしんちゃん、ターザンにも感謝。指導してくれた斉藤清史(チャリプロ)さんにも感謝。なにより最高のバイクを造ってくれたアマンダの千葉さんにこのささやかな勝利を捧げたいです。


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2件のコメント

[C6159]

気持ちが良く解ります、簡単じゃないから勝つ意味がありますよね、おめでとうございます。
  • 2012-11-14
  • SHIRATORI
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[C6158]

おおおーすごい!おめでとうございます
  • 2012-11-12
  • masahif
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